井上酒造について

井上酒造外観
井上酒造の創業は1789年(寛政元年)。
寛政元年は、時の老中松平定信が寛政の改革を始めた年であります。
また、天明の大飢饉の直後でもあり、世情必ずしも穏やかならざる時代でもあったと思われます。
将軍は11代徳川家斉。家斉の在位は50年に及び、その死後ほどなくしてペリー来航、幕末の動乱期に突入、近現代へ…。
このような歴史のうねりの中、当社は230余年もの長きに渡り、足柄平野の恵まれた大地で日本酒を造り続けてまいりました。
今日の井上酒造があるのは、歴代の造り手が時代の波に呑まれず「井上酒造が造る日本酒とは何か」を自らに問い続けた探究心の賜物です。
人々の嗜好は時代の変遷とともに移り変わっていくもの。
また、ここ数年で、日本酒の飲み手にも変化が表れてきました。
老若男女を問わず日本酒を気軽に楽しむ方が増え、さらには国内だけではなく、海外からも日本酒に大きな注目が集まる時代となっています。
令和の世において、「井上酒造が造る日本酒とは何か」?
代々の造り手がそうしてきたように、これからも日々試行錯誤を繰り返しながら酒造りを続けてまいります。

井上酒造が取り組むサステナブル

井上酒造地元出身の著名人といえば二宮尊徳(1787-1856)。
あの二宮金次郎像でおなじみの、江戸後期に実在した人物です。
彼が広めた教えに「報徳思想」があります。
「報徳思想」とは、真心を持って(至誠)物事に誠実に取り組み(勤労)、足るを知り(分度)、余剰を将来や社会のために提供(推譲)すれば、いずれは自らに還元されると説く経済思想のこと。気候変動による地球環境の悪化が叫ばれる現代、尊徳翁が生きた小田原の地に酒蔵を構える私達にも、これからの社会、明日の日本酒のためにできることがあるはず。
そのような思いから、持続可能な社会のための新しい日本酒を開発しました。
日本酒の原料となる米は、小田原かなごてファームが耕作放棄地を田んぼに転用し、ソーラーシェアリング(太陽光発電パネルの下で農作物を栽培するシステム)によって栽培された自然栽培米。
また、同設備で発電した電気は、UPDATER(旧社名:みんな電力)のブロックチェーンシステムにより、再生可能エネルギーの一部として酒造りの電力に利用。
こうして様々な試行錯誤を重ねて完成した日本酒を、私達は「推譲」と名付けました。昨今盛んに耳にする「サステナブルな社会」とは、地球環境を壊さず、資源の浪費をせず、未来の世代もずっと豊かで平和に生活していける社会を指すそうです。
翻って報徳思想について考えた時、サステナブルな社会とは、報徳思想が広く世の中に浸透した社会と言い換えられないでしょうか。
私達が目指すべき未来は、今から160余年前にすでに示されていたのです。
この「推譲」を世に送り出すことによって、少しでも多くの人々が自然の大切さや偉大さに気づき、感謝や畏敬の念を抱いてくださるならば、これに勝る喜びはありません。

会社概要

社名 井上酒造株式会社
創業 寛政元年(1789年)
資本金 12,500,000円
代表者 代表取締役 井上 寛
事業内容 清酒製造業
所在地 神奈川県足柄上郡大井町上大井552
電話 0465-82-0325(代)
FAX 0465-82-3951
銘柄 箱根山、箱根薔薇、左岸、推譲、夢高尾

最近の受賞歴

平成19年 平成18酒造年度全国新酒鑑評会 金賞受賞
平成20年 東京国税局酒類鑑評会 優等賞受賞
平成25年 東京国税局酒類鑑評会 優等賞受賞(燗酒部門)
平成29年 東京国税局酒類鑑評会 優等賞受賞(純米吟醸部門)
平成30年 第114回能登杜氏自醸酒品評会 優秀賞受賞(普通酒部門)
平成30年 平成29酒造年度全国新酒鑑評会 金賞受賞
平成30年 東京国税局酒類鑑評会 優等賞受賞(燗酒部門)
令和元年 東京国税局酒類鑑評会 優等賞受賞(清酒燗酒部門「ぎんから」)
令和3年 令和2年度 全国新酒鑑評会 入賞

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